「ヘナ」についての疑問、質問にお答えしていきます。
「ヘナQ&A」の回答は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく、国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」。そしてプロヘナ、ヘナ歴25年のヘナ伝道師です。
Q ヘナ染めしても他の人と染まりが違うのはなぜ?
ヘナ染めも色がぜんぜん違うのはなぜ?
白髪の色によっても違うし、
ヘナの質、塗布量、染め回数などからも違いが出てきます。
街角でヘナ染めをしている女性を見かけますが、白髪率が高めの場合は派手なオレンジで「キレイ」というよりも派手さが目につきます。
白髪に対してヘナは初回はオレンジ、2回目以降はオレンジが重なり濃くなってコッパー(カッパーCopper)になります。
しかし、ヘナと言っても違いが6つほどあります。
<違い①>白髪の色
白髪の色も白、乳白色、黄ばんだ白髪、透明感のある白髪と様々で十人十色です。ベースの色が違うため、同じヘナを施術しても色が違います。
<違い②>使用するヘナの違い
使用するヘナにも産地の違い(日本産、インド産、モロッコ産、エジプト産など)、染料であるローソン色素(ローソニア・アルバ)の色の違い、含まれるローソンの含有量などからも違ってきます。また、同じ産地でも、春の収穫ヘナと秋の収穫ヘナでも色の違いはあります。
<違い③>ヘナペーストの違い
染める際の粘性の違いがあります。パウダーに加える温湯の量でヘナペーストに含まれるローソンの量が変化します。加える温湯が多いとその分、ローソン色素が薄まります。
<違い④>ペーストの塗布量の違い
ヘナペーストの塗布量の違いがあります。コーミング(コームスルー)しながらの塗布方法は、クシ部分でヘナペーストを毛髪から奪うことになって、結果的に少量のローソン色素のみが毛髪に残ることになるため、薄く染まります。
<違い⑤>放置時間の違い
ヘナ塗布後の放置時間とヘナに含まれるローソン色素の使用量(%)をまとめました。放置期間と仕上がりの良さ(濃く染まる)は比例して向上しています。
塗布後の放置時間 | ローソン量の使用量(%) |
---|---|
30分 | 40% |
1時間 | 40% |
3時間 | 60% |
5時間 | 70% |
7時間 | 80% |
10時間 | 90%程度 |
塗布後自然放置60分の場合、ローソン色素の使用率は40%。残り60%の有効成分であるローソン色素を下水に流していることにもなります。これは「もったいないな」と思います。
<違い⑥>ヘナ染めの頻度の違い
おすすめのヘナの頻度についてまとめてみました。
白髪率 | おすすめヘナ染め頻度 |
---|---|
5%未満 | 3週間~1か月ごと |
10% | 2~3週間ごと |
20~30% | 1~2週間ごと |
40%以上 | 毎週 |
部分的に多い箇所はマメ(頻繁に)にヘナを繰り返すことです。
ヘナ愛好者の中には週2回(3日毎)にフロントサイド、分け目をセルフヘナされる方もいます。全体は月1、2回。とてもキレイナなヘナ髪でいつも周囲からほめられるそうです。
「キレイ!」「ステキ!」と言われるヘナ髪を目指そう!
ヘナで周囲から「キレイですね! ステキですね!」と言われるようなヘナ髪を目指していきましょう。以下は、その染め方ポイントです。
①ローソン色素をたっぷり含んだヘナを選択する。
②適度な粘性のヘナペーストになる温湯を加える。
ヘナパウダーの粒子が細かいと温湯の量は少なく、粒子が粗いと温湯の量は増えます。これは実際に塗布する際に大きな違いを感じます。
つまり、低品質のヘナは温湯を多量に加える必要があり、結果的にローソン色素が薄まり、これが白髪に対して薄染まりの一因といえます。参考までに、ヘナパウダー100gに対して温湯310cc以上加える必要のあるヘナはパウダーが粗い低品質と判断できます。
③飽和状態を意識して、毛髪にヘナペーストをタップリ塗布する。
④3時間以上の放置。理想は7時間以上。
⑤白髪の割合に応じてヘナを繰り返す。
1ヶ月に毛髪は1.5cm伸びます。これは老若男女を問いません。ヘアースタイルにも寄りますが、分け目がある場合、分け目から左右に1.5cmずつ伸びていますから、1ヶ月で頭髪の中央に幅3cmの白髪の帯が存在することになります。
老若男女を問わず。毎週ヘナを行なえばすべての方が健康的でキレイでステキなヘナ髪になることをわたしは断言しています。
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター
ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。