「ヘナ」についての疑問、質問にお答えしていきます。
「ヘナQ&A」の回答は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく、国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」。そしてプロヘナ、ヘナ歴25年のヘナ伝道師です。
Q 友だちと同じヘナで染めたのに、同じ仕上がりになりませんでした。
友だちと同じヘナで染めたのに、同じ仕上がりにならなかったのはなぜ?
6つの違いが考えられます。1毛質、2白髪の量、3白髪の色、4ヘナペーストの粘性、5ヘナの塗布量、6ヘナの放置時間で、染まり方が違ってきます。
この場合、6つの違いが考えられます。
<違い1>毛質
吸水性、乾燥毛、クセ毛、直毛、パーマ毛、ヘアカラー毛、ダメージ度合い、毛髪直径(毛髪体積)で大きく違います。日本人の毛髪直径の平均は0.08mm、細毛0、05mm以下、太毛0.15mm以上とその差は3倍以上あります。毛髪は平面ではなく、円柱と考えるとその体積の差はおよそ9倍となります。
<違い2>白髪の量
白髪が多いとヘナも明るいオレンジに染まり、白髪が少ないと濃いオレンジに染まります。これらは染まったように見えるということで、1本1本の白髪に染まったヘナの色は大きく変わりませんが、黒髪と白髪の対比でそのように見えると考えてください。
<違い3>白髪の色
白髪も人間の肌の色の違いと同じように十人十色です。黄色味を帯びた白髪、クリーム色の白髪、真っ白な白髪と人それぞれです。着色するヘナのオレンジは共通していてもキャンバスの色が違うため、仕上がりに差が生じるのは自然です。
<違い4>ヘナペーストの粘性
温湯(60℃推奨)をパウダーに加える量で粘度が変化します。硬すぎると染まりが薄い場合もあります。インド産のヘナに含まれているローソン染料はおよそ1%と言われています。インド産ヘナ1%の染料を温湯を多く加えるとその分、染料は薄まります。ヘナペーストの理想の粘度はケチャップとお味噌の中間です。マヨネーズ状は染料が薄く、顔や首に流れてくる心配があります。
<違い5>塗布量
ヘナにローソン染料(ローソニア・アルバ)が含まれています。このオレンジ色の色素がタンパク質に絡みつき、髪や皮膚のタンパク質に付着することで、髪の毛や皮膚が染色されますから、ヘナペーストに含まれるローソンをたくさん塗るか、少なく塗るかでその色は大きく違ってきます。
<違い6>放置時間
ヘナのローソン染料を毛髪と経皮吸収させるためには、時間が必要です。私が推奨する放置時間は7時間〜15時間です。
ヘナに含まれているローソン染料は60分放置で40%、120分で60%の消費と考えています。つまり、60分放置の場合、ローソン染料を60%下水に流していることになります。もったいないと思います。
7時間放置で80%、15時間放置で95%の消費、つまり、お茶でいうところの出がらしになります。
長時間放置することで翌日のオシッコの色が変化することが報告されています。ヘナは長時間放置することでそのポテンシャルを最大限に発揮するのです。デトックス効果も高まります。
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター
ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。