「ヘナ」についての疑問、質問にお答えしていきます。
「ヘナQ&A」の回答は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく、国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」。そしてプロヘナ、ヘナ歴25年のヘナ伝道師です。
Q ヘナの商品がいろいろありすぎて、どれがよいのかわかりません。
ヘナ商品どうやって選べばいいの?
どこで、誰がどんな工程で作ったヘナなのかに関心を持つことで、
海外産と国産の違い、温湯の量、適正価格などから選ぶこともできます。
「言ったもん勝ち」のヘナ業界
ヘナ業界全体で言えることですが、裏付けや確認、根拠がないにも関わらず「言ったもん勝ち」という風潮があります。
これは、外国産のヘナに限ったことではありません。すべてのメーカーに共通して言えることは「ウチのヘナが最高である」とSNSやウェブサイトで公言しているということーー。これが現状です。
そこには、健康意識の高い消費者を納得させるだけの説得力も見られますが、中身が伴っていない印象は否めません。すばらしいWebサイトでの宣伝だけで、健康ヘナビジネスを展開しているメーカーが現に多く存在します。
証明できるのは分析のみです。しかし、ヘナの内容や質を調べるには5~7万円の費用がかかります。
他の天然ヘナを検体として分析&公表
検査結果を虚偽なく、しっかり報告するというのは当然のことですが、ところがこんな驚くこともありました。
十数年前の話になります。販売している製品には染料が微量入っているにも関わらず、分析会社には、他の天然100%のヘナを検体として提出し、得られたデータを染料が含まれている製品の詳細説明欄に掲示していた事例があったのです。
詰まるところ、「売り手のセールストークは信用できない内容もあり得る」と考えたほうがよさそうです。
染料、着色料入り粗悪なヘナ商品が大量に日本へ!
十数年前に100円ショップで天然100%ヘナ(内容量80g)が100円で販売されていたのをご存じでしょうか? 現在は販売されていませんが、「臭いは気になるけどよく染まる」との評判でした。
インドでは、オレンジに染める染料、パウダーを「緑」に見せるための着色料を加えている粗悪なヘナ製品があります。製造コストは100gで10~15円程度です。
2017年10月、私が直接、その工場を見学に訪れ、オーナーに尋ねたことがあります。
「このヘナ製品は日本にどのくらいの量を輸出していますか?」と聞いてみました。
「年間に200~300トンをシッピングしている」と答えてくれました。
さて、このヘナ製品はどこで、どのような販売ルートで売られているのでしょうか?
このヘナ製品には、独特の臭いがあります。天然100%のヘナと違います。
染料が含まれているヘナタトゥー
インドのヘナタトゥー(メヘンディーアート)に用いられるヘナには染料が含まれています。それを製造する小さなヘナ工場がたくさん存在しています。
それらヘナタトゥー用のヘナパウダーが国内に入って、ヘナ染めとして使用されているという話も現地インドで耳にしています。
ヘナの選び方チェックポイント
日本でもいろんなヘナ商品が販売されていて、どれがいいのか迷うとき、以下のチェックポイントを参考にしてみてください。
①どこで、誰が、どのような行程でつくっているのかに関心を持つ。
②生産地(海外・外国産、国産)の違いを知る。
海外(外国)産ヘナ
安心・安全な海外産ヘナもあります。一方で、産地、加工地、天然100%などの表示に虚偽も多く見られます。外国産はペーパーチェック(商品パッケージのシールに表示されている内容をそのまま受け止めること)だけではなかなか信用できません。より見極める目が必要になってきます。
国産ヘナ
ここ数年、国産ヘナが注目を浴びています。国産ヘナの場合、畑、刈り取り体験、工場見学に参加し、すべてを確認することも可能です。
③自分の五感でチェックすることも大切。
見て、におって、さわって、塗って感じてみてください。
「消去法」で選ぶヘナ選び
ヘナ選びも「消去法」で選んでみてもよいですね。
①「外国産ヘナ」は選ばない(★安心・安全が確認される場合は除く)
国産ヘナと比べて、外国産ヘナには見えない部分が多くあります。外国産のチェックはハードルが高く、生産者から製造までの確認は困難ですから、安心・安全が確認されるヘナ以外は選ばない。
②ヘナパウダー100gに温湯を3.5倍以上加えるヘナは選ばない。
国内・外産を問わず、ヘナ100gに対して温湯の量が【ヘナ:温湯 1:3.5~4】の表示の商品は選ばない。
③「早く、濃く染まる」を売りにしているヘナは選ばない。
④ネットワークビジネス販売(連鎖販売取引)のヘナは選ばない。
⑤適正価格ではないヘナは選ばない。
日本で販売されているヘナの価格もさまざまです。海外、国産のヘナ生産状況をみるとヘナにも適正価格があります。
ヘナ業界は今、過渡期を迎えています。それが、国産ヘナの出現でこれから大きく変わっていくことでしょう。
「消去法」で選ぶヘナ選びの詳細はこちらをご覧ください。
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター
ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。