「ヘナ」についての疑問、質問にお答えしていきます。
「ヘナQ&A」の回答は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく、国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」。そしてプロヘナ、ヘナ歴25年のヘナ伝道師です。
Q インド産ヘナと国産ヘナは何が違いますか?
ヘナと言えばインド産だと思っていたけど、国産ヘナとどう違うの?
ヘナと言えば、インドソジャット産ヘナが有名です。
でも、ヘナ葉、ローソン量、加工工程の違いを見ても世界一は沖縄産ヘナです。
上質ヘナは「インドソジャット産」だった・・・
インド北部には広大に広がるタール砂漠があります。そこにラジャスターン州ソジャットという街があります。世界でも有数、高品質ヘナの産地です。ヘナ業界でも「上質のヘナ=ソジャット産」と言われるほど有名です。
この見解は5年前にすべて撤回しています。
それまでは、インドソジャット産ヘナが有名でした。しかし、私は2018年、沖縄で栽培し加工されている琉球ヘナと出会って以降、世界一のヘナは日本の沖縄産です。
2018年以前のインド産ヘナの情報としては有効成分であるローソン(ヘナの有効成分「ローソニア・アルバ」)の含有量は0・6~1%程度との認識でした。弊社で販売している、枝を手選別で取り除いたインド産ヘナ(HQヘナ)は1・8%でした。沖縄産琉球ヘナ仲里1号を独自加工した沖縄産ヘナ(美らヘナ)は3・2%のローソン含有量を誇っています。
ヘナ葉を素材と位置づけています。同じ沖縄産ヘナでも乾燥から粉砕までの加工工程の違いは製品の品質を大きく左右します。そのことを考慮しても、インド産より沖縄産のヘナ葉では沖縄産の品質の良さが際立ちます。
インド産ヘナの課題
インド産ヘナ、国産ヘナの違いをあげると、
1)インド産に砂が含有
インド産(外国産)のほとんどに砂が含まれています(「Sand」と呼ばれ約2%含有)。
2)香りの違い
ヘナパウダーの香りがまったく違います。沖縄産はほんのり甘い香りです。
3)製造器具、機械管理の問題
インドでは染料が含有されているいわゆる「ケミカルヘナ」を製造しています。そのためフロアの清掃、換気、カマの洗浄など天然ヘナとの共同使用も珍しくなく、成分分析では微量の化学物質が検出されることが報告されています。
4)土壌汚染、重金属の含有問題
発展途上の国々で栽培されるヘナ、インディゴ、その他の植物に共通しますが、ゴミの処理方法が確立されていないため、至る所にゴミの山が存在します。点在するゴミの山に雨が降り注ぎ、地下水に流れ込むことにより、必然的に土壌汚染が年々問題になっています。外国産のヘナ、インディゴ、その他の植物には日本の基準を数倍上回る重金属が含まれています。
沖縄の平均気温23℃の温暖な気候と年間を通して十分な雨量、肥沃な土地がヘナの栽培地として適していると考えています。沖縄の畑にはいろいろな虫が土壌に住み着いています。それらがさらに土壌を肥沃な土地へ導いてくれます。
古代人がインドの砂漠地帯に作物を育てようと試みた際、結果的にヘナしか栽培できなかったと考える方が自然ではないでしょうか。決して、ヘナの栽培に雨量が少ない砂漠地帯が最適とは言えない環境であることを沖縄のヘナ栽培に携わって思うようになりました。
沖縄ヘナ畑は土壌づくりから・・・
弊社(エムテック)の沖縄でのヘナ畑は土壌づくりから始まりました。堆肥をタップリ畑に蒔き、100坪当たり10トントラック1台分、その後、トラクターで丁寧に耕し、さらに1ヶ月ほど放置し、畑土に馴染ませ、その後、雑草防止用のマルチシートで全体を多い、栄養を雑草に奪われないようにしています。
植物の3大栄養素(リン、チッ素、カリウム)をコントロールすることでヘナ葉の内容成分までも充実するよう常に改革改善を行なっています。さらに日本人の向上心、細部にわたってのこだわりも相まって国産ヘナ「美らヘナ」は作られています。
ローソン含有量を見ても、また沖縄産ヘナの品質の高さに加えて、インドにおけるヘナ栽培から加工技術をこだわった結果できた「美らヘナ」は世界最高品質と表現しても決して過言ではありません。
ヘナに魅せられて、2018年から沖縄でヘナの栽培を始めました。インド産では実現できなかったすべてのことを実現するには、自分でやるしかありませんでした。このすばらしい出会いに感謝しつつ、常に改革改善、より良いヘナづくりに励んでいます。
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター
ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。