「ヘナ」についての疑問、質問にお答えしていきます。
「ヘナQ&A」の回答は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく、国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」。そしてプロヘナ、ヘナ歴25年のヘナ伝道師です。
Q)きれいな髪、健康な髪とはどういう髪ですか?
きれいな髪、健康な髪に憧れます。実際どんな髪のこと?
くせやねじれがなく、ツヤがあって、
風に吹かれるとしなやかにサラサラとなびくような毛髪です。
つややかな髪は、キューティクルが剥離せず、きちんと揃っていることが条件。
きれいな髪は、ストレート毛でくせやねじれがなく、ツヤがあって、風に吹かれるとしなやかにサラサラとなびくような毛髪です。
つややかな髪とは、毛髪表面のキューティクルが剥離せず、きちんと揃っていることが条件です。つまり、健康毛でなければきれいな髪はあり得ないということになります。
健康な髪を維持するためには・・・
健康な髪を維持するために大切なことをお伝えします。
毛髪は24時間毎日、毎秒つくり続けられています。爪・皮膚の表面・毛髪は同じ成分で構成されています。ケラチンたんぱくです。
皮膚は新陳代謝により28日周期で新たな皮膚(表皮)がつくられますが、爪と毛髪は一度でもダメージを受けると自ら回復することはありません。
毛髪ダメージには大きく2つに分類されます。
<毛髪ダメージ>①「化学的損傷」
ヘアカラー剤やパーマネントウェーブ剤、ストレートパーマ剤な化学的な薬液を使用した毛髪加工の際に起こる損傷です。これはたった1回でも取り返しのつかない大きなダメージを与えることがあります。
毛髪に対し薬剤に含まれるアルカリ剤によるキューティクルの剥離、及び毛髪内部の間充物質の外部流出により大きな毛髪損傷を起こす。
<毛髪ダメージ>②物理的損傷
1)ブラッシングによる摩擦
毛髪をブラッシングすると少なからず毛髪同士の摩擦が生じ、過度のブラッシングは避けるべきです。毛髪を整え、気持ちよい程度のブラッシングを心がけましょう。ブラッシングは頭皮の活性にもよい働きがあります。
2)シャンプーによる摩擦
毛髪は1年間に平均15cmほど伸びます。つまり、長さ30cmの髪は毛先は2年経過していると考えてよいでしょう。
毎日シャンプーしている髪の根元は1回、中間は365回、毛先は730回シャンプーしています。これが毎日2シャンプーの髪であれば、根元は2回、中間で730回、毛先は1460回シャンプーしていることになるのです。
毛髪は爪と同じ仕組みです。毛根で作られ押し出されてそれが連なっているだけなのです。表現を変えれば頭皮から単にぶら下がっているものともいえます。血液もリンパ液も流れていません。生きている細胞ではありません。
ここにお気に入りの柄物のワンピースがあるとしましょう。どうすればこの鮮やかな柄を維持できるかを考えましょう。
頻繁に洗濯すればすぐに色褪せてしまいますよね。お気に入りのワンピースはできるだけ汚さないように、ここ一番という時に着れば汚れることはなく維持も簡単です。陽当たりのよい場所に置けば紫外線の影響ですぐに色褪せるし、先述の髪の長さ30cmの毛先、毎日1シャン=730回、毎日2シャン=1460回も洗ったらワンピースはボロボロになるでしょう。洗い方も手洗いで日陰干しとコインランドリーで洗濯から乾燥器仕上げとでは、色柄や記事の損傷も大きな差が生まれるでしょう。
私はシャンプーは夏期は2日ごと+たっぷり汗をかいた日はシャンプー、冬期は3日ごとのシャンプーで十分であると考えています。しかも、シャンプーの際には、シャンプー剤はアミノ酸系の洗浄力が弱いタイプを推奨、市販品であれば5~10倍に希釈して使用をおすすめしています。シャンプー剤やコンディショナーの選択も大切です。
3)ヘアドライヤーによる熱損傷
毛髪に対して過度なドライヤー使用は避けるべきです。特に毎日使う方はドライヤーの種類や機能にもコダワリが必要です。温度は低め、風量多めが毛髪損傷を軽減できます。
4)ヘアアイロンによる熱損傷
ドライヤーよりもアイロンの方がダメージを起こすと考えてよいでしょう。へアドラーヤーは熱風による間接的な熱損傷ですが、ヘアアイロンは150℃~200℃設定で直接、熱が毛髪に影響するために毛髪損傷が大きいといえます。
セルフヘアアイロンの場合は150℃以下で使用することを推奨。カールアイロンは巻いてから3秒を超えてはいけません。ストレートアイロンは、途中で止まらないように毛先までスルーするように心掛けて下さい。
5)枕による摩擦損傷
ずっと上を見て寝ている赤ちゃんの後頭部がすれて薄くなったり、ダメージしているのを見たことがあると思います。これは大人になっても同じことが言えます。
頭の重さは成人で5kgほどありますので、毎日、枕との摩擦は避けられません。
真上を向いて寝ている人は後頭部の枕損傷、右・左のどちらかを向いて寝る人は枕に当たる側の枕損傷、寝相の悪い人は、毛髪全体の枕損傷を受けている可能性があります。
6)ボディーソープ&洗顔ソープによる損傷
シャンプーによる損傷に加え、ネープ(襟足)はボディーソープでも洗われていますし、顔まわりの毛髪は洗顔ソープでも洗われていますので、特にダメージを受けやすいです。
6)紫外線による損傷
意外にも紫外線による毛髪損傷は著しく、特に頭髪の表面と毛先に影響します。夏期の紫外線が多く降り注ぐ日には帽子を被ったり、日傘を差すなどの対策は必須です。
ちなみにヘナをすることで紫外線対策になります。ヘナには紫外線防止効果があります。
7)海水による毛髪ダメージ
海水浴やマリンスポーツでは海水の塩分と紫外線が相まって1日でも髪がパサパサになることがあります。
8)温泉水による毛髪ダメージ
天然温泉の場合は、その温泉の泉質(温泉成分)により、違いはありますが、基本的に温泉水はアルカリ性です。アルカリは毛髪を(ケラチンタンパク)柔らかくし、キューティクル溶かしてしまう性質があります。お肌はツルツルになりますが、髪はパサパサになります。温泉に行った際には温泉水を使用せずに水道水でシャンプーしましょう。
9)高濃度塩素による毛髪ダメージ
私は小3から水泳をやっていましたが、時々、先生から塩素の塊(白玉状)を渡されて、プールに投げ入れるように指示されていました。その後は、目が痛くて痛くてたまりませんでした。昭和40年代半ばの水泳部では、ゴーグルなどは使っていませんでしたから・・・。
それよりも髪が茶髪になっていたのを覚えています。高濃度塩素に加え紫外線の影響も大きかったと思います。もちろん髪はバサバサでした。
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター
ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。