
「ヘナ事典」を一緒につくっていきましょう。
ヘナだけではなくヘアカラー、髪の仕組み、毛染めに関することなど、知っておきたい言葉、わからない言葉など、積み重ねて1つの事典を作り上げていきます。
「ヘナ事典」の監修は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」、そしてヘナインストラクター25年になるヘナ伝道師です。
*写真提供は特記以外は、エムテック、フリー素材、自撮りになります。
インド産ヘナ

「ヘナ」と言えばインド産がほとんど。ラジャスターン州ソジャット(インド北部・広大なタール砂漠にある街)が世界でも有数、高品質ヘナの産地。
ヘナ業界でも「上質のヘナ=ソジャット産」と言われるほど有名。
インド ラジャスターン州
インドで最も面積が大きい州。州都はジャイプル。西にパキスタンとの国境がある。人口6,800万人、人口密度200人/㎢。
オーガニック(有機)

農薬や化学肥料に頼らない、自然の恵みを活かした農林水産業や加工方法。
ケミカルヘナ

ヘナ配合のヘアカラー剤のこと。
ケミカルヘナの特徴
ヘナ染めは①時間かかる ②色が選べない。
そのためヘナに酸化染毛料とその発色を促す酸化剤が配合されているカラー剤。パラフェニレンジアミンに代表されるジアミン類、その他の酸化染毛料配合するため、天然ヘナとは使用目的が異なる。
ヘアカラー剤のカテゴリーであって、ヘナと比較して圧倒的に感作性が高い。天然100%ヘナは白髪が初回はオレンジで、繰り返すごとに赤茶(Copper)へと変化する。
ケミカルヘナはダメージあり!
ケミカルヘナを使い続けると独特のダメージを感じる。ジアミン類は単体では発色に時間がかかるために時短目的で酸化剤が配合される。従来の酸化剤は「ヘアカラー2剤=過酸化水素水」だが、ケミカルヘナに配合される酸化剤はパウダー状。酸化発色は分子が大きく、重なる酸化重合発色であるので毛髪ダメージをともなう。
ネットなどで「ケミカルヘナはダメージがない」などの書き込みが見られるが誤りである。ケミカルヘナのジアミン等の酸化染毛料の配合量は従来の2浴式ヘアカラー剤よりも多い傾向がある。
ケミカルヘナに入っている酸化染料
ケミカルヘナの酸化染料を分析したところ、全銘柄からフェニレンジアミンが検出され、最も多いものは11%。次に多いものは10%、9.8%。最も少ないものでも 3.1%だったが、それにはパラニレンジアミンのほか同じ酸化染料であるアミノフェノール8.7%が含まれていた。
フェニレンジアミン等の酸化染料は、酸素または空気中に放置すると、次第に酸化されて紫褐色あるいは黒色に変わる酸化染料の一種で、染毛剤に一般的に使われる。感作性があり、アレルギーの原因となる物質である。
単独では、アミノフェノールが明るい黄褐色、パラレンジアミンが掲色となる酸化染料で、染毛過程で生成する複数の反応生成物の組み合わせ、重合度の違いにより種々の色調が得られる。
国民生活センターより2007年、美容組合ほか関係省庁にアレルギー問題への要望書が出ている。
白髪染めに用いられているヘアカラーリング剤は大別して、医薬部外品に該当する染毛剤と化粧品に該当する半永久染毛料、一時染毛料があるが、そのうち染毛剤は酸化染料等によって毛髪中の化学反応を伴い、色持ちはよいが皮膚へのかぶれなどを発症することがある。
ヘナ配合の白髪染めの商品について「湿疹、痒みが生じた。問題となる染料が使用されていないか調べてほしい」との原因究明テスト依頼があった。依頼の内容から苦情品にはアレルギーの原因となる酸化染料が含まれていることが考えられた。
そこで同様の商品を調べたところ、この他にも「ケミカルヘナ」「ブラックヘナ」「化学染料を含む」旨の表示があるものがあることがわかった。
そして、本来医薬部外品にしか配合されず、アレルギーの原因となる酸化染料が含まれていないかどうかを調べ、消費者に注意喚起することとした。
インターネット上で販売されているヘナ製品のうち、「ケミカルヘナ」や「ブラックヘナ」等の表示があるもの、「化学染料を含む」旨の表示があり、表示から頭髪に使用すると受け取れるもの合計 7 銘柄を対象銘柄とした。
すべての銘柄に黒く染めるための酸化染料でアレルギーの原因となる p-フェニレンジアミンが含まれていたため、薬事法に抵触する恐れがあった。使用方法に従って調製したペースト中には 2.0~4.9%の酸化染料が含まれており、一般的な染毛剤の酸化染料の配合割合に比較すると高いものだった。
頭髪を染めると受け取れる表示はすべての銘柄に見られたが、「人毛かつら用」など頭髪に使わないと受け取れる表示の銘柄もあり、矛盾が見られたほか、成分表示が見られたのは 1 銘柄のみで問題と思われた。アレルギーに対する注意表示があったのは 5 銘柄で、ジアミンでアレルギーのある人には「使用しないこと」という表示があったのは3銘柄のみであった。
従来のヘアカラーでかぶれを起こした人は使用できない。(江口照久)
国産ヘナ

日本国内で生産されているヘナ。沖縄では紀元前からインドより中国を経由してインドヘナのタネが入ってきて、数千年で沖縄の気候、土壌に合った品種へと変化したと思われる。沖縄でも造園業者がヘナ木を垣根として造作していた時期があったという話もあり。
ヘナの越冬温度は15℃。そのため奄美大島以南での栽培が可能。
ビニールハウスでの栽培も試みたが、染料濃度が薄いヘナが育つ結果となった。太陽の光をタップリ吸収し、光合成が染料濃度に関係すると考えられる。ヘナ木は露地栽培が必須である。
国産ヘナ、沖縄産ヘナ、Made in Japan表記ヘナ 5つの違い
国産ヘナ、沖縄産ヘナ、Made in Japanで販売されているヘナにも5つの違いがある。
①ヘナ葉、もしくはヘナパウダーを海外より輸入し、国内加工し「国産」と表記。
②ヘナパウダーを海外より輸入し、国産ヘナを加えて製品化。
③国内で育てられている「琉球ヘナ」は商標登録が不可能。琉球が場所を表しているため、インドからヘナタネを持ち込み、沖縄地方で栽培している畑が点在。
④「琉球ヘナ」の品種は現在4種類ほど確認。そのため同じ沖縄産、国産ヘナの表示があっても
内容は大きく違っている。
⑤同じ品種のヘナ葉を用いても、栽培、刈り取り、乾燥、不純物除去、粉砕などの方法や工程が異なる違いがある。そのため一括りにもできない。
植物性染毛料

ヘナ(ヘンナ)、インディゴ(ナンバン藍、タイワンコマツナギ、ナンバンコマツナギ、タデ藍、琉球藍など *タデ藍、琉球藍は特殊加工が必要)。昔から白髪染めに使用されていたものとしてお茶に含まれるタンニンなどの成分に鉄や銅の化合物を反応させて染める方法もあった。
セルフヘナ

自宅で行なわれるホームヘナのこと。白髪の多い部分を中心に頻繁に行なうことができ、サロンへ行く時間を有効に使える、コストパフォーマンスがよい。
ナチュラルヘナ

天然100%ヘナのこと。時短や色彩を付加する目的でケミカル(化学物質)配合のヘナとの差別化のために使われている表現。
塗るだけヘナ(お帰りヘナ、ホームヘナ)

理美容サロンでプロの手で塗布され、そのまま帰宅するヘナメニュー。天然100%ヘナ限定のメニューで、長時間放置することで1回のヘナ効果を向上させることができる。ヘナは塗布後7時間以上放置することが理想。皮膚呼吸を妨げない目的で24時間未満の放置が可能。
パッチテスト(皮膚試験)

パッチテストは、ヘアカラーを使用してアレルギー反応が起こるかどうかをヘアカラーの前にお客様自身で確認できる最も有効な方法。これまで問題なく使用してきた製品であっても、アレルギー反応はある日突然に起こることから毎回必ず、ヘアカラーの48時間前から実施する必要がある。
パッチテストの詳しい手順は、お使いになる製品の使用説明書に詳しく書かれているので、必ず使用説明書をよく読んで正しく行なうこと。
ピクラミン酸
海外産ヘナ、特にインド産ヘナに含まれる化学染料(直接染料)。偽装ヘナパウダー製造に用いられる染料。
ピクラミン酸は乾燥植物に0.6%配合で天然100%ヘナと同等程度のローソニア・アルバ(ローソン)色素のオレンジに白髪を染めることができる。ヘナ葉でない雑草などでもヘナと同等の染毛効果がある。
ブラックヘナ
酸化染料(ジアミン類)配合のケミカルヘナ。ケミカルヘナの中でも特にパラフェニレンジアミンが多く含まれ、発色補助のための酸化剤も含まれている。
黒く染めるための酸化染料でアレルギーの原因となるパラフェニレンジアミンが含まれているため、薬事法に抵触する恐れあり。
ヘンナ

ヘナのこと。
ヘナ100%
ヘナのみ。
ヘナサロン

ヘナ染めを専門に行なうサロン。美容所、理容所の開設届が必要で、美容師、理容師の資格が必要である。無資格で自宅などでヘナサロンを開設している所が全国に点在するが、美容師法、理容師法違反である。
ヘナ蒸し

「ハーブ蒸し」は韓国発祥のよもぎ蒸しの発展型で座器の器の中にハーブ類(ヘナ、よもぎ、月桃、その他のハーブ)を入れお湯を注ぎコンロで加熱し、その蒸気を浴びる。健康法の一種。女性性の向上、美肌効果、デトックス効果があるとされる。蒸す時間は40~60分。「ヘナ蒸し」はヘナ単体を蒸すことを指す。
ヘナ風呂

お帰りヘナ、ホームヘナ、お休みヘナのあと、バスタブの中でヘナを流し、ヘナの水溶液でヘナ浴をする健康法、美肌効果、デトックス効果が期待できる。
メンズヘナ

男性に見られる脱毛、薄毛予防の観点から行なう天然100%のヘアケア。白髪染めヘナのみ、インディゴを加えるミックスハーブ染めがある。
メヘンディ(メヘンディーアート、ヘナタトゥー)

インドでのヘナの呼称。ヒンディー語でヘナで肌を染める、「ヘナで肌に模様を描くこと。頭髪用だけではなく、インドの伝承医学書アーユルベーダによれば「ヘナは万能に効果がある薬」の位置づけで、宗教的なお祭り、結婚式などの祝い事の際に顔、身体に用いる化粧。
ローソン(ローソニア・アルバ)

ヘナに含まれる染料であるローソニア・アルバのこと。このオレンジ色の色素がタンパク質に絡みつき、髪や皮膚のタンパク質に付着することで、髪の毛や皮膚が染色される。ローソンの濃度が高いほどオレンジに染まる。
インド産のヘナの場合、0.6~1.0%と言われる。土壌、気候、栽培方法、不純物除去方法、加工方法、収穫時期によって多少の違いがある。
「ヘナ事典」監修 江口照久
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター

ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。
| 語句 | 同義語 | 種類 | 説明 | 代表商品 | |
|---|---|---|---|---|---|
| あ | アッシュヴァリュー | ||||
| アナフィラキシー | |||||
| アミノフェノール類 | 成分 | ||||
| アーユル・ヴェーダ | |||||
| アルカリカラー | |||||
| アルカリ剤 | ヘアカラー | ||||
| アレルギー | |||||
| アレルギー性接触皮膚炎 | |||||
| アンダートーン | 髪が持つ下地の色。目には見えない「感じる色」。 | ||||
| い | 育毛 | ||||
| 一時染毛料 | |||||
| 一時着色料 | テンポラリーヘアカラー | ||||
| 医薬部外品 | |||||
| 色合い | |||||
| インディゴ | 成分 | ||||
| インド産ヘナ | ヘナ | ラジャスターン州ソジャットが世界でも有数、高品質ヘナの産地。 | |||
| インドラジャスターン州 | ヘナ | インドで最も面積が大きい州。州都はジャイプル。 | |||
| う | ウコン | ||||
| 薄毛 | |||||
| うねり毛 | |||||
| え | 永久染毛剤 | パーマネントヘアカラー | |||
| エコサート | フランス | ||||
| お | お帰りヘナ | 塗るだけヘナ、ホームヘナ | ヘナ | 理美容サロンのプロが塗布し、そのまま帰宅するヘナメニュー | |
| オーガニック | 農薬や化学肥料に頼らない、自然の恵みを活かした加工方法 | ||||
| オーガニック認証機関 | |||||
| おしゃれ染め | |||||
| オハグロ式白髪染め | |||||
| か | 過酸化水素 | オキシ | |||
| 過酸化バリウム | 成分 | ||||
| かぶれ | 接触皮膚炎 | ||||
| 髪トラブル | |||||
| カラースティック | |||||
| カラートリートメント | |||||
| カラーマスカラ | |||||
| カラーリング | |||||
| カラーリンス | |||||
| キューティクル | |||||
| き | 金属性染毛剤 | ||||
| く | グレイヘア | ||||
| け | 景品表示法 | 法律 | |||
| 化粧品製造業の許可 | |||||
| 化粧品製造販売業の許可 | |||||
| ケミカルヘナ | ヘナ | ヘナ配合のヘアカラー剤 | |||
| こ | 合成シャンプー | ||||
| 公正取引委員会 | |||||
| 厚生労働省 | |||||
| 国産ヘナ | ヘナ | ヘナの越冬温度は15℃なので奄美大島以南での栽培が可能。琉球品種は3、4種ほど。インド産沖縄育ち、外国産を輸入し国内加工、国産と外国産のミックスタイプあり。 | |||
| 国民生活センター | |||||
| さ | 酸化染毛剤 | アルカリ性タイプカラー | |||
| 酸化染毛料 | |||||
| し | ジアミン系 | ||||
| ジアミンアレルギー | |||||
| シカカイ | |||||
| 刺激性接触皮膚炎 | |||||
| 食品分析センター | |||||
| 女性ホルモン | |||||
| 植物性染毛料 | 毛染め | ヘナ(ヘンナ)、インディゴ(ナンバン藍、タイワンコマツナギ、ナンバンコマツナギ、タデ藍、琉球藍・・・)など。 | |||
| 白髪 | |||||
| 白髪染め | |||||
| す | スカルプ | 頭皮 | |||
| せ | 製造物責任法 | PL法 | 法律 | ||
| 石けんシャンプー | |||||
| 接触皮膚炎 | |||||
| セルフヘナ | ヘナ | 自宅で行なわれるヘナのこと | |||
| 染毛料 | |||||
| た | 脱染剤 | ヘアライトナー | |||
| 脱色剤 | |||||
| 脱毛 | |||||
| タール系色素 | |||||
| な | ナチュラルヘナ | ヘナ | 天然100%ヘナのこと | ||
| ナンバンアイ | |||||
| に | 日本ヘアカラー工業会 | ||||
| ぬ | 塗るだけヘナ | お帰りヘナ、ホームヘナ | 理美容サロンのプロが塗布し、そのまま帰宅するヘナメニュー | ||
| ね | ネットワークビジネス | ||||
| の | ノンジアミンカラー | ||||
| は | ハイライト | ||||
| バージンヘア | |||||
| パッチテスト | 毛染め前にアレルギー反応を確認する方法。毛染め48時間前から実施。 | ||||
| パラアミノフェノール | |||||
| パラフェニレンジアミン | PPD | ||||
| 半永久染毛料 | セミパーマネントヘアカラー | ||||
| ひ | ピクラミン酸 | 成分 | 白髪をオレンジに染める化学染料。偽装ヘナパウダー製造にも使われている染料 | ||
| 非酸化染毛剤 | |||||
| 美容師法 | 法律 | ||||
| 美容ディーラー | |||||
| 敏感肌 | |||||
| ふ | プライマリーカラー | ||||
| ブラックヘナ | ヘアカラー | 酸化染料(ジアミン類)配合のケミカルヘナ。黒く染まる。 | |||
| へ | ヘアカラー | ||||
| ヘアカラースプレー | |||||
| ヘアカラートリートメント | |||||
| ヘアカラーファンデーション | |||||
| ヘアダイ | |||||
| ヘアブリーチ | 脱色 | ||||
| ヘアマニキュア | |||||
| ヘアライトナー | |||||
| ヘナ(ヘンナ) | ヘナ | 植物性染毛料 | |||
| ヘナ100% | ヘナ | ヘナのみ | |||
| ヘナサロン | ヘナ | ヘナ染めを専門サロン | |||
| ヘナタトゥー | メヘンディ、メヘンディアート | ヘナ | インドでのヘナの呼称。宗教的なお祭り、結婚式などの祝い事の際に顔など肌に模様を描くこと(化粧) | ||
| ヘナ蒸し | ヘナ | 座器の器の中にヘナを入れお湯を注ぎ加熱し、蒸気を浴びるハーブ蒸し(健康法) | |||
| ヘナ風呂 | バスタブでヘナ浴をすること(健康法) | ||||
| ヘンナ | 成分 | ヘナのこと | |||
| ほ | 細毛 | ||||
| ホームヘナ | お帰りヘナ、塗るだけヘナ | ヘナ | 理美容サロンのプロが塗布し、そのまま帰宅するヘナメニュー | ||
| め | メンズヘナ | ヘナ | 男性への天然100%のヘナ染め。白髪染めヘナ、インディゴ入りミックスハーブ染めなど。 | ||
| も | 毛髪着色料 | ||||
| め | メヘンディ | ヘナタトゥー、メヘンディアート | ヘナ | インドでのヘナの呼称。宗教的なお祭り、結婚式などの祝い事の際に顔など肌に模様を描くこと(化粧) | |
| モイスチャー | |||||
| 毛髪診断 | |||||
| 毛髪のレベル | |||||
| り | 理容師法 | 法律 | |||
| ろ | ローソン | ローソニア・アルバ | ヘナ | ヘナに含まれる染料。髪の毛や皮膚が染色される。濃度が高いほどオレンジに染まる。 | |
| S | SDGs | Sustainable Development Goals | 持続可能な開発目標 | ||
| U | USDA | アメリカ農務省 | |||
| W | WHO | 世界保健機関 |


