「ヘナ」についての疑問、質問にお答えしていきます。
「ヘナQ&A」の回答は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく、国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」。そしてプロヘナ、ヘナ歴25年のヘナ伝道師です。
Q インドヘナでも値段がかなり違うのはなぜ?
日本で売られているヘナのほとんどインド産だけど、値段がかなり違うのはどうして?
流通の煩雑さと利益追求が主な理由。健康ヘナビジネスも見られます。
新芽を手摘み、葉肉部分のみ使用も事実無根。
インドの1カ月の生活費は1万円から考えてみましょう。
インド産ヘナが高額な理由&言い訳
ヘナの価格について質問を受けますが、ヘナ100gで標準小売価格1,000~1500円(税別、ヘナ100%)が妥当と考えています。標準小売価格とはお客様へ提供する価格、一般販売価格のことです。
インド・ラジャスタン州・ソジャット産が最良のヘナと言われていましたが、国産ヘナが注目を浴びています。安心安全の国産ヘナの一般小売価格は2500~3000円(税別)です。<以上、2023年6月現在>。
どんなに良質か、高品質かなどさまざまな高額ヘナの言い訳を耳にしますが、どれも事実とは違っています。流通の煩雑さ、利益追求が主な理由です。
インド産ヘナで価格の違いの理由として、6つほどあげられます。
①流通が煩雑、複雑で中間マージンが重なっている。
②インドから空輸(船便ではない)
現在、空輸は常識です。
③新芽を手摘みにしている。
日本のお茶のイメージから「新芽だけの手摘み」など、まことしやかに高額ヘナの言い訳がありますが、いずれも事実ではありません。インドを知らない日本人に日本の高級茶をイメージさせ販売しているに過ぎません。注意喚起しましょう。外国産へナにおいて事実無根です。
④葉肉部分のみ使用
葉の葉脈を取り除き、葉肉の部分のみを使用している。これも、外国産へナにおいては事実無根です。
⑤健康ヘナビジネス
ネットワークビジネス販売は単なる高利益主義の場合があります。ドライな「健康ヘナビジネス」と呼んでいます。
⑥有機栽培
農薬を使わない有機栽培。オーガニック認証取得に関する費用がかかっている。
インドで1ヶ月の生活費1万円
インドでは1カ月、1万円で生活していることをまず理解すべきです。その国の物価指数という比較方法があります。
日本では、お米10kg=3,500円、ヘナ100g=1000円が相場価格と仮定し、ヘナ100gを2,000円で買った場合、お米10kgを7,000円、ヘナ100gを3,000円で購入しているということは、お米10kgを10,500円で
買っていることに等しいということになります。*インドの通貨単位はルピー100ルピー=≒170円(2023年5月現在)
インド訪問の際にソジャットで買ったヘナです。
定価は400g=「140ルピー≒240円」、これを10袋買うからと値切って「90ルピー≒154円」つまり、「100g≒39円」で購入。そのため製造コストは「100g≒20円」程度です。しかし、これは低等級、品質の悪いヘナ、もしくは雑草に酸化剤と染料を配合した偽装ヘナです。
良質のヘナは日本をはじめ欧米へ輸出され、質の悪いヘナをインド国内で加工し販売しています。しかし、表示には天然100%と表記されています。
この偽装ヘナは本当によく染まります。これも日本に大量に輸出されている事実があります。1等級ヘナでも100gの製造コストは150円前後。KEO社の手選別はそれからさらにコストはかかかっていますが、それでも200円程度です。それを日本に輸入しいくらで販売するか・・・というのがヘナ業界の実状です。
繰り返しますが、インドでは1ヶ月の生活費1万円です。
全国各地にてヘナの講習会を行なっていると、こんなことをよく言われます。
「グッチさんとこのヘナは安いですよね~」
これは逆です。ウチが適正価格であって、他社が高いのです。
それから「こんなにタップリヘナを使うんですか?」とも尋ねられます。「長時間放置するからこそタップリ使ったほうがよい結果になります」とお伝えしています。このあと、必ずコストの話になります。他社のコストでは、この量はかなり無理があるようです。
真実は成分分析、詳細な製造工程の公開
ヘナ&ハーブカラーの真実は成分分析のみ明らかにすることだと考えています。それから詳細な製造工程を公開していること、販売する側が、生産から製品に至るまでを確認していることが不可欠です。
国内のヘナ&ハーブカラーの中には雑貨扱いのヘナが存在しています。日本国内の化粧品輸入代行業者を通じ、化粧品として申請を受けた製品であるか否か、商品パッケージに製造販売元が記載されているかどうかの確認が必要です。
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター
ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。