「ヘナ」についての疑問、質問にお答えしていきます。
「ヘナQ&A」の回答は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく、国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」。そしてプロヘナ、ヘナ歴25年のヘナ伝道師です。
Q ヘナに何か加わっているものも「ヘナ」ですか?
ヘナにいろいろ配合されている商品がありますが、
それもヘナなの?
ヘナに数%のハーブやケミカルが含まれているものを「ヘナ」と呼びません。
ケミカルヘナはヘアカラーです。
ヘナとは、ヘナの木を刈り取り、乾燥させ、ヘナ葉のみをパウダー状にしたヘナパウダーに温湯を加えペースト状にしたものを頭皮頭髪に塗布するトリートメントのことです。
ヘナに何かを加えたものを「ヘナ」とは呼びません。「ヘナ」と表現できません。天然100%ヘナが「ヘナ」であって、ヘナに数%のハーブやケミカルが含まれている場合は「ヘナ」と表現しません。
いまだに多くの方(理美容師を含む)が植物系のパウダーを総称して「ヘナ」と誤解しています。このことが日本国内でもうやむやになっていて、ユーザー側(消費者)の混乱を招いています。
ハーブカラーは、
ヘナ・インディゴ・ターメリック等を用いた天然100%カラーのこと。
「ケミカルヘナ」と呼ばれるヘアカラー
「ケミカルヘナ」と呼ばれるヘアカラーには、大きく分けて2種類存在します。
1つは、酸化染毛料(ジアミン類)が配合されたヘアカラーのヘナ(ヘナ入りヘアカラー)、もう1つはミックスハーブに顔料を加えたテイントハーブです。
1)酸化染毛料配合~ジアミン入りヘナ
ジアミン入りヘナが製品化された背景はーー。
化粧品、医薬部外品、医薬品の何れにも含まれない”雑貨”、カツラ用やウイッグ用を建前として輸入し、ジアミン配合ヘナが製品化されました。
そこには、時間短縮、希望の色合いの実現があります。
黒髪を明るくはしない&連用で乾燥毛で不自然な黒髪へ
「ジアミン配合ヘナ=ケミカルヘナ」は黒髪を明るくする作用はありません。毛髪損傷は軽微であり、一定数の愛好者がいます。
しかし、ケミカルヘナには酸化染毛料であるジアミン類を発色させるためにヘアカラーに用いられる2剤(過酸化水素水)と同じ作用を持っています。パウダー状の酸化剤が配合されているためブリーチ力はないものの毛髪ダメージはゼロではありません。繰り返し使用することで毛髪表面が白く変色、極端な乾燥毛になる場合があります。
多量の酸化染毛料が含まれているために繰り返すごとに白髪も真っ黒に染まる場合が多く、この真っ黒は自然な日本人の黒髪(黒褐色)よりも暗い黒のために不自然な黒に感じられます。
黒褐色とは、黒に限りなく近い褐色(濃い茶色)のことです。
ジアミン配合のケミカルヘナには「LB、BR、DB、BLACK」などの色が存在します。きれいな茶色に染め上げるには相当の塗布テクニックが必要です。
ケミカルヘナは、一般的なヘアカラー剤より染料が多く含まれ、感作性が高いですから、過去にヘアカラーでアレルギーを発症した方は絶対に使用してはいけません。
2)ヘナ、ミックスハーブに顔料を加えたテイントハーブ
ヘナ、あるいはミックスハーブに顔料(テイント)を加えたテイントハーブがあります。テイントとはカラートリートメントに含まれているような着色剤と考えると理解しやすいでしょう。
感作性が低く、ジアミンアレルギーの方でも染められる可能性が高いともいえます。しかし、パッチテストは必要です。テイントハーブは化粧品登録が可能です。
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター
ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。