日本のヘナ人口を知りたい! インドからのヘナ輸入量を調べてみた!

日本のヘナ人口を知りたい! インドからのヘナ輸入量を調べてみた! ヘナ情報あれこれ
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日本でヘナ染めをしている人たちはどれくらいいるのか? そんな素朴な疑問からスタートしました。

日本に何百万トンの取引していると言っているインドヘナ会社の話も定かではありません。先日も、超大手化粧品メーカーがン万トンのヘナを輸入しているという話を耳にしました。

これらもはっきりしない数字です。

「ヘナ愛」調べだけでもヘナ100%を販売しているヘナメーカーは90を超えています(2025年7月現在、累計)。大半はインド産です。そこで、インドからのヘナ輸入量を調べてみることにしました。

インドの国旗
インド産

経済産業省に問い合わせ

まず、ネットで統計調査を調べてみましたが、はっきりわかりません。管轄は、経済産業省ではないかと思って代表電話に電話して「インドからのヘナの輸入量を知りたい」と伝えたところ、「貿易管理課」を案内されました。

ヘナについてすぐに認知されず、けっきょく「わからない」ということでした。かなりそっけない対応でした。

日々の業務の中、突然の対応に答えないといけないことは想像しますが、こういうそっけない対応はままあります。

よくわたし(山中登志子)はメディアにいたから、ライターだからできると言われるのですが、そうではなく、常に「納税者」の意識で、お尋ねすることにしています。ここ、大事です! そして、必ず相手の名前を聞くようにしています。

ジェトロ(JETRO、独立行政法人日本貿易振興機構)へ

次に、ジェトロ(JETRO、独立行政法人日本貿易振興機構)に問い合わせてみました。ここは、日本企業の海外展開を支援し、対日投資を促進する機関で、海外進出企業の相談窓口、海外情報提供、海外市場調査などを実施しています。

ジェトロで、財務省の貿易統計課が担当課だと教えていただきました。

財務省貿易統計課

財務省貿易統計課に電話で問い合わせたところ、またヘナの説明からはじまりました。調べて折り返し連絡をしてもらえることになりました。

そしてわかったのは、財務省貿易統計の資料(日本の貿易統計 日本から外国への輸出及び外国から日本への輸入についての統計)から見ていくということです。

サイト上の使用方法もていねいに教えていただきました。

けっきょく「ヘナ」という項目はありませんでした。

品目コードを教えてもらいました。植物染料のヘナは、第2部、14類になります。

第 2部「植物性生産品」
第14類「植物性の組物材料及び他の類に該当しない植物性生産品」

ただしこの数量と金額はヘナ単品ではなく、おそらくインディゴ、ターメリック、シカカイなどの植物パウダー類も含まれます。またパウダーではなく加工されたヘナ、および雑貨ヘナは含まれないのだという理解になります。

財務省貿易統計(検索ページ) :財務省貿易統計 Trade Statistics of Japan

輸出入の指定

「輸入」にチェックを入れます。

統計年月の指定

知りたい年と月を選択します。年度ごとなら、年内の合計を選びます。
たとえば「2024年」で1年間ごとの動向がわかります。

国の指定

インドを選びます。国参照指定から国を選んでいきますが、インドは国番号「123」になります。

品目の指定

品目指定の数字は「140490130」。ヘナは第2部、14類になります。

検索をクリックすると出てきます。数量単位はKG、金額は(1000円)です。

数量(KG)金額(1000円)
2024年10422361123
2023年9384459577
2022年9699146066
2021年10264040268
2020年9401440399
2019年12209857969
2018年11452352291
2017年11747661193
2016年15166375945
2015年14448285438
2014年16912195378
2013年12537867879
2012年14997782541
2011年13336080981
2010年11435474393
2009年12973570420
2008年12880772493
2007年140628101133
2005年以前はなし

2007年から統計数値が出ていますが、それほど大きな数値変動は見られません。

モロッコからの輸入

同じく、モロッコからの輸入は2024年度は、数量400(KG)、金額647(1000円)でした。

2024年度の数量は104223(KG)になります。104.223トン。

ここで、ある仮定をもって概算値を出していきたいと思います。

ヘナ1回の使用量を50gとして、輸入量を100トン(100,000KG)とすると

100,000÷0.05=2,000,000 → 200万回分

1人が、1年間に10回のヘナ毛染めをするとして20万人となります。ざっとした概算になります。

ちなみに、2023年の日本のヘアカラー市場規模は約1000億円。日本の人口全体で約4割、女性では6割以上がヘアカラーをしているという調査があります。人口1億2000万人の4割は4800万人になります。この中にヘナ染めも含まれていると思われます。

ヘナだけでの輸入量が貿易統計ではわからないので、インド大使館に「現在、インドからヘナがどれくらい日本に輸出されているのか? 10年くらいの推移を知りたい」とメールで問い合わせてみました。

こちらは無反応。

「ヘナパウダーマーケットの洞察」という有料調査もあり、そこには「ヘナパウダー市場規模は2022年に15億米ドルと評価され、2030年までに23億米ドルに達すると予測されており、2024年から2030年まで5.0%のCAGRで成長しています。」とあります。

今回、有料調査で情報は得ませんでした。

今夏今秋、大手ヘアケアブランドがヘナ業界に参入するという話も耳にしました。

健康志向とあいまって、植物染料ヘナ市場の拡大は期待されています。インドヘナの課題(水、空気などの環境汚染など)が今後どのような形で数字に現れるのかも気になるところです。

ヘナパウダー市場の規模、成長、研究、予測
ヘナパウダー市場規模は2022年に15億ドルと評価され、2030年までに23億ドルに達すると予測されており、2024年から2030年まで5.0%のCAGRで成長しています。

わたしの概算したインド産ヘナ人口20万人。

おそらく9割くらいは海外産、それもインド産ヘナを愛用しているとして、決して多いとは言えません。なんとも微妙な数字だなというのが本音です。まだまだヘナの認知度が低いと思いました。

また、これはインド産ヘナの数字から算出したもので、国産ヘナの数字は含まれていません。

ヘナは女性の白髪染めと思われていますが、男性にもおすすめで、また白髪だけではなくトリートメント効果抜群の素材としても期待できる植物パウダーです。

まだまだヘナには伸びしろがあると言えるでしょう。

このヘナ人口については引き続き、追記していきたいと思います。(2025年7月18日)

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