「ヘナ」についての疑問、質問にお答えしていきます。
「ヘナQ&A」の回答は江口照久さん(「エムテック」代表、美容師)。インドヘナだけでなく、国産ヘナも知る「国産ヘナの生産者」。そしてプロヘナ、ヘナ歴25年のヘナ伝道師です。
Q ヘナはなぜ、白髪だけ染まるのですか?
白髪だけしかヘナは染まらないの?
ヘナは白髪だけではなく、黒髪も染まっています。
太陽の下でよく見るとオレンジがわかりますよ。
「ヘナは白髪にしか染まらない」と言われていますが、ヘナは白髪だけでなく、実は、黒髪(地毛は黒褐色)も染まります。
日本人の地毛、自毛、地髪は真っ黒ではなく、黒褐色です。つまり「黒褐色=黒毛」です。
毛髪はケラチンと呼ばれるたんぱく質で構成されています。表面をキューティクルと呼ばれるウロコ状の毛表皮で覆われています。これは、白髪も黒髪も同じです。
そのキューティクルに守られている毛髪中間部のコルテックス(毛皮質)と毛髪の中心のメデュラ(毛髄質)にメラニン色素が含まれているのが「黒髪」。含まれていないのが「白髪」になります。
白髪、黒髪のどちらもキューティクルは無色透明です。毛髪の表面を覆っているキューティクルにはしっかり着色します。また、キューティクル内の黒髪部分、毛髄質(メデュラ)を除く毛皮質(コルテックス)も白髪同様に染まっているのです。
太陽光で見るとオレンジに染まっている黒髪
黒髪がヘナで染まった状態は室内では気づかない方が大半と思われますが、外で太陽光に照らされるとヘナで染まっていることが確認できます。オレンジを感じることができます。しかし、屋内だとほとんどわかりません。
ここに、白画用紙と黒画用紙があるとしましょう。
薄いオレンジの絵の具を両方に同じ量を塗ると想像してみてください。白画用紙はオレンジがくっきり現われますが、黒画用紙は黒そのものの色が濃すぎてオレンジには見えません。
オレンジのサングラスをかけて白髪頭を見ているイメージです。黒髪(黒褐色)は黒が強いので「黒」に見えますが、白髪はオレンジに見えます。
顕微鏡で見た「ヘナ染め」した黒髪&白髪
顕微鏡で見ると、白髪だけではなく、黒髪(黒褐色)にもヘナが染まっていることがわかります。
下の写真をクリックしてみてください。拡大すると毛髪の大きさが違うこと、1本1本の毛髪の色が違うこともよくわかります。
ヘナに含まれている色素ローソンで、白髪も黒髪の表面のキューティクルも初回はオレンジに染まっています。白髪で言えばヘナは初回はオレンジ、2回目以降はオレンジが重なって濃くなってコッパー(カッパーCopper)になります。
毛髪を構成しているケラチンたんぱくにローソン色素が吸収され、電気的に色素が結合し、毛髪内部に留まることで「染まる」と考えられています。同時に毛髪をコーティングし、毛髪ダメージの回復、強化、ツヤ、ハリ、コシを良好にする働きがあります。
ヘナメーカー「エムテック」代表・美容師・ヘナインストラクター
ヘナ歴25年、ヘナ伝道師グッチ
ヘナ伝道師として22年、1000回以上の「ヘナ塾」を全国で開催。現在、沖縄うるま市で、ヘナの畑作り・栽培・加工・販売まで行なっている「国産ヘナの伝道師」。