「ヘナ100%」「天然」と売られているヘナ商品に、化学染料のピクラミン酸が数%混入されていて回収されることがありました。いまだに、この困った偽100%ヘナ現象は続いていると思っています。
ヘナメーカーが、インドが言ってる「天然100%」宣伝をそのまま信じている、日本人とインド人のピュア100%の認識差に原因もあるようです。
ここがクリアになっていかないと、ヘナはやはりダメだ!となりかねません。
今回は、インド国内で売られているヘナ、ヘナにジアミンを入れたケミカルヘナ、インド産ヘナ(機械選別)、インド産ヘナ(手選別)、国産(沖縄)ヘナ、5つのヘナを1000倍顕微鏡で見てみました。目測チェック。
1000倍顕微鏡でどんなふうに見えるでしょうか?
数%でヘナ色に染めあげる「ピクラミン酸塩」はピンク、赤系。ヘナに似せるための着色剤「ダイヤモンドグリーン」は緑。そのあたりからチェックしていきます。
「ヘナ」商品もこんなに違う! 色、粒子、不純物・・・・
インド国内で売っているヘナ
わたしが今まで使ってきた「100%ヘナ」と比べて、粉の色が茶色っぽい。
緑色が見えます。これがダイヤモンドグリーンか?
ピンクっぽいものも見えるが、画像ではよくわからず。
インドで販売されているヘナです。「100% PURE NATURAL」と表記されています。
インド人の感覚は「2~3%染料が入っていてもほぼ100%、ほぼ天然」。このアバウトというかいい加減さから、日本に染料入りヘナが輸出されてきたのです。現在進行形でないことを願いたいのですが・・・・
日本国内でも何をもって無添加、自然かといったあいまいさもありますが(指定成分が入っていないからそう宣伝しているところもあり)、でもヘナ100%はヘナのみでしょう。化学染料を数%混入しても「100%天然」と言える感覚を許してはダメですね。
ヘナもどきの「ヘナ」商品のできあがり!
ヘナではなく、ヘナに似たそこらへんの植物に染毛料「ピクラミン酸塩」、着色剤「ダイヤモンドグリーン」を混ぜて「ヘナ」もどき商品が出来上がります。
ひょっとしてヘナすら入っていないものもあるかも?
ヘナに似せて緑っぽくしないともろに嘘がばれるので、着色料「ダイヤモンドグリーン」を混入しておきます。
色はヘナっぽい色に染まっても、トリートメント効果はないでしょうね。
ケミカルヘナ(ジアミン入り)
粉の色は、「ヘナ100%」より深い緑。見て、まず色でチェック!
1000倍顕微鏡で緑色の不純物が見えます。
これは、ヘナにジアミン(パラフェニレンジアミン PPD)を混入した「ケミカルヘナ」です。ジアミンはヘアカラー(白髪染めやヘアダイ等の酸化染毛剤)に配合されている染料。かゆみ、痛み、発疹、腫れなどのアレルギーを起こす原因物質です。
ヘナでかぶれる・・と言われた(言われている)のは、ほぼこのジアミン入りのケミカルヘナ染めでした。ヘナだから安全&安心だと思っていたのに、ケミカル入りをヘナだと思って染めているという深刻な問題です。
わかって売っているのか、染めているのか? 知らずに売っているのか、染めているのか?
消費者を誤認させるようなヘナもどき商品は消費社会から消えてもらいましょう。その力を持っているのは、消費者の買う力、選ぶ力だと思います。
インド産(機械選別)
緑でもちょっと沈んだ感じの緑色。
不純物がまだ入っているからか?
触るとかため。枝のようなものが見える。
インドのソジャット地方のヘナ。機械分別のため不純物があり。「ノーマルヘナ」とも言われているもの。
最近、このクラスのヘナを使ってないので染まりはわからないが、不純物が多めということは染まりもそれなり!ということです。
インド産(手選別)
機械選別のみよりも粉の色は緑が明るい。
手作業で不純物を除去したからか?
このヘナの色を基準にチェックしているとわかりやすいかも?
【ローソン含有量1.8】
機械分別での不純物を手作業で餞別したヘナ。
わたしが日々、使っているインド産「ヘナ100%」はこのクラスのヘナ。日本ではハイクラスヘナと言われている商品。機械選別とはメッシュ(粒子の細かさ)も違っている。
インド側が言って、日本のメーカーが宣伝しているメッシュの細かさもほんとかな?と思う商品あり。それもあって、100メッシュで商品をふるいにかけてチェックしています。50グラムでも100メッシュにかけるのに、手作業で30分くらい時間かかります。インドでもそれなりの機械設備が必要でしょうから、200メッシュ以上を宣伝しているヘナはまず、疑ってみています。
国産(沖縄産)
ヘナの粉が抹茶色。
ヘナに騙されてもきたので、着色しているのではないか?と疑いたくなるような鮮やかさ。
顕微鏡でも細かさ、微粒子がわかる。ペーストにしても滑らか。
【ローソン含有量3.2】
ヘナでも「トレサビリティ」を考えてみる
国産ヘナとインド産ヘナは「トレサビリティ」(その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのかを明らかにすべく、原材料の調達から生産、消費、廃棄まで追跡可能な状態)の違いがあります。
国営といっても、インド産ヘナはどこの農家のヘナなのか、ほぼわかりません。国産ヘナにもインド産ヘナを育てたもの、工場が日本国内と言ったものなどありますが、これもトレサビリティの観点からみるとはっきりしてくると思います。
今後、ヘナについても「トレーサビリティ」をユーザーがどう意識していくか・・・。そのあたりも期待したいです。
ヘナは「スローカラー」
インドは、日本のメーカーの希望「もっと早く」「もっと安く」「もっと濃く」「もっともっと」」ということにこたえようとしてきたのもあるでしょう。
染毛料「ピクラミン酸」はほんの数%(0.2~0.5%)でオレンジ色に染まります。ヘナは化粧品です。「ピクラミン酸」は医薬部外品成分。ピクラミン酸入りヘナの使用は薬機法(薬事法)違反になるはず・・・。
ヘナメーカーはそんな商品を販売してもよいのですか? なんです。
日進月歩ですから、ピクラミン酸だけではないケミカル染料が代用され、悪い方に“進化”し、別の化学物質でわからないように“工夫”されてきているかもしれません。
ヘナは「よく染まる」「濃く染まる」「早く染まる」は疑ったほうがよさそうです。
なぜならヘナはクイックなヘアカラーと違って、スローカラーだからです。
ヘナの葉には赤色色素のローソン(lawsone)が含まれていて、タンパク質にイオン結合して絡みつき着色します。「よく染まる」「濃く染まる」とうたっている場合、分析機関ではかった「ローソン量」(有効成分ローソニアアルバの含有量)が基準になります。
メーカーの宣伝文句だけに惑わされないようにしましょう。わたしたちで「ヘナ愛」メーカーを育てていきましょう。
【追記)顕微鏡使用にまだ慣れていないところもあるので、もっとわかりやすい形の比較で伝えていくのがわたしの課題です。